税理士 紹介 HOME - 会社が赤字でも納税?
会社は、国だけでなく地方公共団体からもさまざまな行政サービスを受けています。そこで、個人が住民税を負担するのと同様に、所得に対する税金も、国に対する法人税に加えてその会社の本店や支店、店舗や事業所の所在している地元の地方公共団体にも納付する必要があります。これを「法人住民税」といい、会社が赤字であっても必ず納税しなければなりません。
法人住民税には3種類あります。それは「法人税割」と「均等割」、そして「利子割」です。地方公共団体によって税率が若干異なることがありますが、ここでは便宜上、東京都の場合を例に解説します。
◆法人税割
法人税割とは、所得がある場合にかかってくるもので、国に納める法人税額を計算のベースとします。このため所得金額がゼロまたは赤字なら、納める法人税額も住民税の法人税割もゼロになります。所得金額が黒字で法人税額が発生している場合には、その事業年度の法人税額 × 17.3% の金額が法人税割の納税額となります。
たとえば、年間の所得金額が500万円であれば、法人税額は110万円(500万円×22%)となり、したがって住民税の法人税割は19万300円(110万円x17.3%)になります。ただし、これには次の例外があります。
■17.3%という税率は、資本金が1億円以下で、かつ法人税額が1000万円以下の場合に適用されます。そのいずれかを超える場合には、税率は20.7%とされます。
■事務所等が23区内にある法人は、上記の17.3%に相当する税額を都税事務所に申告して一括納付しますが、市町村に所在する場合には都税事務所に5%相当額を、市町村役場に12.3%にそれぞれ申告納付します。税額の合計額には変わりありません。
■2つ以上の都道府県または市町村に事務所等を有する法人の場合には、上記の税額を原則として期末の従業員の人数費で按分して、それぞれの市町村に申告納付します。
◆均等割
均等割とは、所得の有無に関わらずかかってくるもので、その法人の規模に応じて納税額が決まります。この場合の「規模」は、資本金額と従業員数によって決まります。その分類は多岐にわたりますが、資本金と当該市区町村の従業者数(以下、従業者数)ごとの中小法人の均等割の税額は以下の通りです。
資本金1000万円以下・従業員数50人以下 → 7万円
資本金1000万円以下・従業員数50人超 →14万円
資本金1000万円超1億円以下・従業員数50人以下 →18万円
資本金1000万円超1億円以下・従業員数50人超 →20万円
資本金1億円超10億円以下・従業員数50人以下 →29万円
資本金1億円超10億円以下・従業員数50人超 →53万円
なお、事務所等が23区内にあれば、上記均等割は前述の法人割とともに都税事務所に一括納付しますが、市町村に所在するときは都税事務所に2万円、市町村役場に5万円を分割して納付します(資本金が1000万円以下で従業者数が50人以下の場合。以下同様)。また事務所や店舗などが複数の市区町村に2箇所以上あるときは、2箇所目以降1か所ごとに5万円の均等割が発生します。
◆利子割
利子割とは、法人が受け取る預貯金等の利子に対して、5%の税率で源泉徴収によって課税される地方税のことです。すなわち会社が金融機関に預け入れている預貯金に対して、たとえば1000円の利息がつくとすると、そこから所得税が150円(税率15%)、住民税の利子割が50円(税率5%)天引きされ、手取額は800円になります。
納税は、利息の支払いを受ける都度に源泉徴収で天引きされるので、自ら納めるという感覚はないかもしれません。ただしそこで天引きされた税額は、確定申告の際に一事業年度の総額を集計して、15%の所得税は納める法人税額から、5%の地方税は納める法人住民税額からそれぞれ控除することができます。また控除しきれない税額は還付されることになっています。
法人事業税は、法人税と同様に、所得金額を課税対象として課税される地方税(都道府県)のことです。住民税とは異なる税目ですが、実際の申告納付の乎続きは、前述の法人住民税とともに都道府県税事務所に対して一括して行います。一般に、法人事業税の税率は次のとおりとされています。
資本金が1億円以下で、かつ年所得が2500万円以下の法人
・年所得400万円以下の部分 →5%
・年所得400万円超800万円以下の部分 →7.3%
・年所得800万円超の部分 →9.6%
資本金が1億円超、または年所得が2500万円超の法人
・年所得400万円以下の部分 →5.25%
・年所得400万円超800万円以下の部分 →7.665%
・年所得800万円超の部分 →10.08%
したがって、たとえば資本金が1億円以下の法人で、年間の所得金額が500万円であれば、納付する法人事業税は、400万円 × 5% +(500万円 - 400万円) × 7.3% を計算し、27万3OOO円となります。
法人税は納付しても損金に算入することはできません。すなわち、決算で「租税公課」などの経費に計上されていたら、その金額は申告時に「別表四」で加算し、所得金額に足さなければならないのです。このことは法人住民税についても同様です。 ところが、法人事業税だけは損金算入が認められているので注意しましょう。したがって、決算で計算された事業税を翌事業年度に納めると、その金額だけ所得金額が小さくなり、翌事業年度の法人税や住民税は安くなります。「実効税率」という言葉が使われることがありますが、これはその効果を考慮した実質的な税率のことなのです。
会社設立したら、都道府県税事務所または地方事務所と、市区町村役場のそれぞれに届出が必要です。提出期限は自治体によって異なりますが、東京都の場合には設立から15日以内となっています。また、本店所在地以外に事務所や支店がある場合には、それらを管轄する市区町村役場と、都道府県税事務所または地方事務所にもそれぞれ届け出てください。
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